資料ダウンロード お問い合わせ メルマガ登録

通販・EC事業参入

【2024年版】ECサイト構築に利用できる補助金とは?

近年のIT化や、コロナ禍で「非接触」が推奨された影響もあり、ビジネスの場でのECサイトの利用がますます一般的になってきました。しかし、ECサイトの構築には初期費用や運用費用がかかり、これがハードルとなって導入をためらっている企業も少なくないと思います。そこで、この記事では、ECサイト構築に利用できる補助金について詳しく解説します。これらの補助金を活用することで、ECサイト構築の負担を軽減し、ビジネスの拡大を図ることが可能となるでしょう。

ECサイト構築に利用できる補助金とは?

ECサイト構築に利用できる補助金とは、中小企業や個人事業主が自社のECサイトを開設・運営するための費用を補助するための制度のことを指します。これらの補助金は、国や地方自治体、公的機関などから提供され、ITツールの導入や新規事業の開始、事業の拡大などを支援することを目的としています。
以下に、主な補助金をいくつか紹介します。

事業再構築補助金

事業再構築補助金は、新型コロナウイルスの影響や市場の縮小で売上が減少した事業者等が、成長分野へ新たに進出するなど、事業の再構築を図るための補助金です。ECサイトの新規構築やリニューアルも補助対象となります。

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、販路開拓や生産性向上の取り組みに対する支援によって、小規模事業者が事業を持続的に経営していくための補助金です。ECサイトの新規構築やリニューアルも補助対象となります。

ものづくり補助金

ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)は、製造業の中小企業者が制度改革に対応するため、新たに革新的なサービスや製品を開発する際の補助金です。ECサイトでの販売を目指す新製品開発やECサイトの新規構築・リニューアルにも利用できます。

各補助金の特徴からみるメリット・デメリットと注意点

各補助金には、前述のようにそれぞれ特徴があり、企業にとってのメリットとデメリットもそれぞれ異なります。各補助金のメリットとデメリットについて、申請の際の注意点と合わせて以下で見ていきましょう。

事業再構築補助金

メリット

事業再構築補助金のメリットは、新型コロナウイルスの影響等で売上が減少した事業者等の事業再構築が目的であるため、事業改善に関することであれば、広範な事項に対する支援を受けられることです。また、他の補助金と比較して補助上限額が大きく、短期に大規模な賃上げを行う場合は、さらに上限が引き上げられます。

デメリット

一方、事業再構築補助金のデメリットは、新型コロナウイルスや市場縮小等の影響を受けた事業者に対象者が限定される点です。さらに、「新市場進出」や「事業・業種転換」、「事業再編」など「事業再構築」の定義に該当することが必須であり、例えば、現在事業が好調な企業が、既存の商品やサービスでさらに商圏拡大を図るという目的では申請できないということになります。

注意点

事業再構築補助金の全ての公募枠に共通する要件として、補助事業の事業計画を金融機関等(資金提供を受けて補助事業を実施する場合)や認定経営革新等支援機関(自己資金のみで補助事業を実施する場合)と策定し、確認を受けていることが必須要件となります。

小規模事業者持続化補助金

メリット

小規模事業者持続化補助金のメリットは、小規模事業者の事業の継続に必要な費用を補填することが目的であるため、補助対象経費区分が広範であることです。また、他の補助金と比較して、小規模事業者に特化しているため、小規模事業者の方にとっては、採択の見込みが比較的高いといえるでしょう。

デメリット

小規模事業者持続化補助金のデメリットは、補助額が比較的少額であり、上限が50万円(インボイス特例の要件を満たす場合、50万円を上限額に上乗せ)であることです。また、補助対象事業者が「小規模事業者」に限定されているため、例えば、商業・サービス業では常勤の従業員5人以下であることが補助対象事業者となる条件であるなど、対象事業者はかなり限定されます。

注意点

ECサイト構築等の費用は、補助対象経費区分のうち、「ウェブサイト関連費」に該当しますが、「ウェブサイト関連費」は、補助金総額の1/4が上限となります。ウェブサイト関連費のみによる申請はできず、他の経費と併せての申請が必要となります。

ものづくり補助金

メリット

ものづくり補助金のメリットは、革新的な製品・サービスの開発や生産性を向上させるための設備投資等の支援を事業の目的としているため、ECサイト構築だけでなく、そのECサイトで販売する新製品やサービスの開発、生産プロセスの省力化等に対する支援も受けられることです。

デメリット

ものづくり補助金のデメリットは、試作品等の製造・開発の主たる部分を他社に委託する事業や実質的に労働を伴わない事業である企画やコンサルティング、資産運用的性格の強い事業は、補助の対象とならないため、申請できる業種がある程度、限られてしまう点です。

注意点

ものづくり補助金を利用する際の注意点は、補助事業のために利用するクラウドサービスやWEBプラットフォームの利用費のみが補助対象経費となり、自社の他事業と共有する場合は補助対象とならないことです。補助事業に特化したECサイトの構築やリニューアルではない、コーポレートサイトや自社商品全般を扱うECサイトは、補助対象とはなりませんので注意が必要です。

補助金申請において注意すべきこととは?最低限知っておきたいポイント

補助金は、申請さえすれば誰でも簡単にお金がもらえてそれでおしまい、という単純な制度ではありません。安易に申請して後でこんなはずではなかった・・・と後悔することがないように、補助金を申請するにあたり、事業主の方や企業の担当者の方に、最低限知っておいていただきたいポイントについて、解説します。

ポイント①

補助金は「後払い(精算払い)」が基本となります。そのため、一旦は企業の手元資金がキャッシュアウトした後に、補助金が支払われることになります。申請した事業計画に必要な資金については、補助予定額も含めた総額を先に企業自身で準備する必要があります。補助金申請の際には、事前に補助金の対象となる事業計画をしっかりと立て、その計画遂行に必要となる金額とともに、明確に申請書類に記述することが重要です。
また既に支払った経費等が事後の所管の機関の検査により、補助金の支払対象として認められない可能性もあります。特に、補助金ごとに定められた事業期間外の支出については、補助が受けられない可能性が高いため注意しましょう。

ポイント②

補助金を受けるためには、事業の実績報告書や証拠書類等の提出が必要となるため、企業の事務処理のコストが増える可能性があります。さらに補助を受けた後も当該事業についての報告が必要となることが多いです。そのため、将来にわたって事業の進行状況を適切に記録し、報告書を作成する体制を整えておくことが必要です。

ポイント③

補助金の原資は基本的に「税金」であるため、補助を受けた企業に対しては会計検査院の検査が入る可能性があります。また、補助金の「目的外利用」や「不正受給」については、「補助金等適正化法(補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律)」に基づき罰則が科される可能性がありますので、適正な利用を常に心がけましょう。

まとめ

ECサイト構築には様々な補助金が利用可能です。これらの補助金を活用することで、ECサイトの構築費用を抑えつつ、ビジネスの拡大を図ることが可能となります。それぞれの補助金は、申請条件や補助内容が異なり、さらにメリットとデメリットがありますので、自社の状況に合った補助金を選び、適切に申請していきましょう。また、安易な補助金申請や利用には注意が必要です。事前の準備と、適正な利用、申請後のフォローまでをしっかりと行うことで、補助金を最大限に活用し、事業の成功につなげていきましょう。

弁護士法人ファースト&タンデムスプリント法律事務所は、EC・通販法務には特に高い知見と経験を有しています。
「助ネコ」の株式会社アクアリーフ様、「CROSS MALL」の株式会社アイル様など、著名なECシステム企業が多数、当法律事務所の顧問契約サービスを利用されています。
企業の皆様は、ビジネスのリスクは何なのか、リスクが発生する可能性はどれくらいあるのか、リスクを無くしたり減らしたりする方法はないのか、結局会社としてどうすれば良いのか、どの方法が一番オススメなのか、そこまで踏み込んだアドバイスを、弁護士に求めています。当法律事務所は、できない理由を探すのではなく、できる方法を考えます。クライアントのビジネスを加速させるために、知恵を絞り、責任をもってアドバイスをします。多数のEC企業様が、サービス設計や利用規約・契約書レビューなどにあたり当事務所を活用されていますので、いつでもご相談ください。

執筆者:弁護士小野智博
弁護士法人ファースト&タンデムスプリント法律事務所

※本稿の記載内容は、2024年6月現在の法令・情報等に基づいています。
本稿は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。正確な情報を掲載するよう努めておりますが、内容について保証するものではありません。

ご相談・お問合せはこちら
WRITER
弁護士 小野 智博
弁護士法人ファースト&タンデムスプリント法律事務所 代表弁護士
ECビジネス・Web 通販事業の法務を強みとし、EC事業立上げ・利用規約等作成・規制対応・販売促進・越境ECなどを一貫して支援する「EC・通販法務サービス」を運営している。EC企業からの相談に、法務にとどまらずビジネス目線でアドバイスを行っている。
また、企業の海外展開支援を得意とし、日本語・英語の契約書をレビューする「契約審査サービス」を提供している。
著書「60分でわかる!ECビジネスのための法律 超入門」